[相談]
私はこのたび会社を設立し、その会社の代表取締役に就任することとなりました。
私は、設立初年度から役員賞与の支給を受けたいと考えているのですが、この場合において、税務上必要な手続きがあれば教えてください。
[回答]
ご相談の場合、会社の設立の日以後2月を経過する日までに、所轄税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出する必要があります。
[解説]
1.事前確定届出給与の概要
事前確定届出給与とは、役員賞与など、法人の役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定め(以下、事前確定届出給与に関する定め)に基づいて支給する給与(定期同額給与及び利益連動給与を除きます)をいいます。
その事前確定届出給与に関する定めについては、法定の提出期限までに納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出書を提出しなければならないこととされており、この届出書の提出がなされずに支給された事前確定届出給与については、その法人の損金(経費)には算入されないことと定められています。
2.事前確定届出給与に関する届出書の提出期限(原則)
この事前確定届出給与に関する届出書の提出期限は、原則的には、次の@またはAのうちいずれか早い日と定められています。
- @ 株主総会等の決議によりその事前確定届出給与に関する定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1月を経過する日
- A その会計期間開始の日から4月を経過する日
3.新たに設立した法人における事前確定届出給与に関する届出書の提出期限
上記2.の提出期限について、新たに設立した内国法人がその役員のその設立の時に開始する職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めをした場合には、その設立の日以後2月を経過する日とすると定められています。
したがって、今回のご相談の場合は、会社の設立の日以後2月を経過する日までに、所轄税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出する必要があることとなります。
[参考]
法法34、法令69、通法10など
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
- 賃上げ促進税制におけるキャリアアップ助成金の取扱い2023/09/19
- 賃上げ促進税制における国内雇用者に派遣社員は含まれるか2023/09/12
- 適格請求書発行事業者の売上高が1,000万円以下となった場合、免税事業者になれるか2023/09/05
- 従業員を雇用していない個人事業者が支払う報酬料金についての所得税の源泉徴収義務2023/08/29
- 資産の譲渡代金が回収不能となった場合の所得計算の特例2023/08/22
- 相続税額の2割加算と孫養子2023/08/15
- 宅地建物取引業者とインボイス2023/08/08
- インボイス制度/新設法人の基準期間がない課税期間と少額特例の適用2023/08/01
- インボイス発行事業者が免税事業者に戻るための手続き2023/07/25
- インボイスに記載すべき年月日を、月単位での記載とすることの可否2023/07/18
- 個人事業者がインボイスに氏名ではなく屋号を記載することの可否2023/07/11
- タクシー業のインボイス交付義務2023/07/04
- 消費税輸出免税制度とインボイス交付義務2023/06/27
- インボイス制度導入後に総額表示義務はどうなるのか2023/06/20
- 消費税法上の課税期間を短縮している場合の基準期間の考え方2023/06/13